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【びわ湖マラソン】天皇家ゆかりの名刹で浄めのお泊り…2024年大会の旅ラン日記(5)

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2024年3月10日に開催されたびわ湖マラソン(コース:滋賀県大津市、草津市、守山市)の「旅ラン日記」(体験レポート)の連載(全8回)です。

今回は予定を変更しまして、第3、4回の前に第5回(びわ湖マラソンの宿)を公開します。

※写真:今回宿泊でお世話になった門跡寺院 圓満院の「宸殿」の「大玄関」(写真左)。右は食事処「遊々亭」です。大玄関は天皇の行幸の時のみ使われ、通常は結界が張られています。寺院幕に大きな菊の御紋。枯山水のさざ波もきれいです。

<連載テーマ>

【1】スタートから中間点までのようす ★
【2】中間点からフィニッシュまでのようす
【3】大津・京都のおみやげ
【4】大津・京都のおいしいもの
【5】天皇家ゆかりの名刹で浄めのお泊り ★

 ― 創立987年・門跡寺院 圓満院の宿坊に逗留
【6】いろいろな “紫式部” に会ってきた
 ― 石山寺・平和堂石山・蘆山寺・京都御所・出町商店街
【7】びわ湖・大津の旅ランでかかったお金
【8】番外編:雄足(おたり)さんと黒主(くろぬし)さんのお話

 ―もう一つの石山寺縁起・大伴黒主神社・能「志賀」

第5回のテーマは、びわ湖大津の名刹の一つである、門跡寺院 圓満院さんの「びわ湖マラソン 宿泊プラン」でのお泊り&参拝体験です。

びわ湖マラソンでは今回初めて、スタート会場からほど近い圓満院さんの宿坊「三密殿」に泊まれるプランを企画。筆者もお世話になることにしました。

大会前に千年以上の歴史をもつ、天皇家ゆかりの由緒正しきお寺でお泊り。

静寂な霊域の中にいると、心身が自然と浄められる心地がします。おかげで落ち着いて大会に臨むことができ、フィニッシュ後も癒されました。

前週の東京マラソンよりも40分も早く、また体のダメージも少なくフィニッシュできたのは、圓満院さんゆかりの神仏のご加護あってこそだと思っています。

・ 「圓満院 宿泊プラン」はびわ湖マラソン初のお寺の宿泊プラン

・お寺の場所は、スタート会場の皇子山陸上競技場のすぐそば

・宿坊はとても静かで「国立青少年自然の家」のような佇まい
 ※ホテルではなくお寺の施設であることに留意を

・天皇家ゆかりの歴史ある宸殿や本堂、庭園で静かな時間を過ごせる

・長寿の聖水「三井(みい)の名水」をいただける(無料)
 ※ペットボトルや水筒を持参しましょう

圓満院 宿泊プランの概要

以下は、2024年3月時点の情報です。

宿泊プランの名称
びわ湖マラソン 宿泊プラン【宿坊・圓満院 三密殿】

施設の場所
門跡寺院 圓満院
〒520-0036 滋賀県大津市園城寺町33番
 ※京阪電鉄 大津市役所前駅(皇子山陸上競技場前)より徒歩9分(650m)
 ※同 京阪大津京駅(マラソン会場入口そば)より徒歩16分(1.2km)
 ※園城寺(三井寺)のとなり

宿泊プランの対象日程
2024年(令和6年)3月8日(金)~3月10日(日)

プランの内容・料金
3/9 素泊まり 6600円/1名
3/9 1泊2食付 13200円/1名(夕・朝)

 ※食事は宿泊5日前まで、2名以上の予約のみ受付
 ※夕食は会席料理あるいは精進料理
 ※朝食は一般食あるいはアスリート食
3/8または3/10の宿泊は上記より1100円(1名)割引

アメニティ
バスタオル、浴衣、ハンドタオル、ボディソープ、リンスインシャンプー
※歯ブラシやひげそりなどの消耗品は各自で持参

客室設備
浴室、冷蔵庫、金庫、ドライヤー、温水洗浄トイレ、エアコン、洗面所、懐中電灯

チェックイン
15:00
※チェックイン前の手荷物預かり可

チェックアウト
10:00
※チェックイン後の手荷物預かり可

支払方法
現金またはクレジットカード

筆者

筆者は素泊まり(1名)で2泊しました。

特典(全宿泊プラン共通)
駐車場無料利用サービス
レイトチェックアウト
大会前々日、大会当日の宿泊料の割引
大会終了後のシャワーの無料利用
スタート・フィニッシュ会場への送迎無料サービス※事前予約制
圓満院「交通安全お守り」の進呈
フェイスタオルの進呈
大会中の荷物預かり(無料)
大浴場の利用(夜のみ)
経口補水液のサービス(1本)
重要文化財「宸殿(しんでん)」と名勝史跡「三井(みい)の名庭」の無料拝観
「朝のお勤め」への無料参加
 ※場所:同院内「護摩堂」
 ※時間:7:30~

筆者

ランナーにうれしい盛りだくさんの特典に、心から感謝いたします。おかげで落ち着いて過ごすことができました。マラソンの疲労のため、大会翌日の朝のお勤めに参加できなかったのが心残りです。

<3月9日(大会前日)>
18:00~ 夕食(食事付きプランの宿泊者)
20:00まで 宿泊代金支払受付

<3月10日(大会当日)>
6:00 朝食(食事付きプランの宿泊者)
6:50 宿泊代金支払受付の締切
6:50 マラソン会場への送迎
※希望者9名以上の場合は往復および6:40発の増便も対応
14:00 マラソン後の迎車
大津駅発 14:00・15:00・16:00※事前予約制
※当初はフィニッシュ会場から宿坊までの迎車が予定されていましたが、会場周辺の交通の混雑が見込まれたため、JR大津駅から宿坊までに変更になりました。

参考:圓満院 宿泊予約
https://enman-inn.com/syukubou
宿坊では、通常より一般者の宿泊を受け付けています。法事のほか、生徒や学生の部活動、社員研修などでも利用されています。

お寺の歴史

圓満院は寛和3(987)年に村上天皇の第三皇子・悟円親王により創立された天台宗の門跡寺院です。

門跡寺院とは天皇家ゆかりの僧侶が住職を務める寺院を指し、全国に17カ所あります。京都の名刹である仁和寺や知恩院、大原三千院、そして昨年宸殿を再建した曼殊院も、この門跡寺院に含まれます。

圓満院は当初「平等院」と称していたそうです。しかし、かの藤原道長が宇治に立てた別荘を寺院にする際にその名を譲り、現在の宇治平等院が生まれました。代わって明尊大僧正により新たに「圓満院」と命名され、今日にいたります。

百人一首に登場する歌人の一人「前大僧正行尊」は、当院の大僧正でした。

“もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし 前大僧正行尊”

※「百人一首煎餅 かるた」

本堂には歴代天皇の御位牌がずらっと並び、近代以降は明治天皇や大正天皇も行幸されています。皇室との長く深い縁を院内のいたるところでうかがわれるお寺です。

参考:寺院ホームページ
https://enman-inn.com/

宿坊のようす

建物外観

★入口
宿坊「三密院」の入口は、境内の奥のほうにあります。

★付属施設
入口の横に「寺子屋塾 えんまん」の看板が。市民向けのさまざまな取り組みが行われているもようです。

★御神木
入口の前にある樹齢360年以上と言われるクスノキの銘木。宸殿を京都御所より移設した際に植えられたと伝えられています。

建物内

筆者は今回、和室をお借りしました。もったいないくらい広くて快適。室内でヨガやストレッチをのびのびできました。由緒あるお寺でのヨガはリラックス&ヒーリング効果がマシマシ。

★客室内
サッシが大きく部屋の奥までほどよく明るいです。中央に座卓があります。

★座卓
大きな座卓にはお茶セット、布団の畳み方の説明、投扇興など日本文化体験のご案内がありました。

★冷蔵庫と金庫
軽食やドリンクの持ち込みOK。貴重品は金庫へ。室内の照明とエアコンのリモコンもあります。

★床の間
大津絵と寿老人の置物が飾られていました。

★サッシから見える風景
サッシを開けると木々が多く、すき間から大津商業高校の校舎が見えます。その先にスタート会場の皇子山陸上競技場があります。会場まで歩いて行けるのが◎。

★浴室
ユニットバス。リンスインシャンプーとボディソープがあります。

★トイレ
洗浄付で浴室と別です。

★洗面所
ハンディソープとドライヤー付き。

★布団
自分で押し入れから取り出し敷きます。チェックアウトの時に畳んで室内に置きます。

筆者

客室内にエアコンがあり、肌寒い朝夕も快適に過ごせました。室内が暖かくなったためか、虫さん(たぶんゾウムシ)が1匹カーテンにやってきました。施設は山林の中にあり、雰囲気は「国立青少年自然の家」に近いです。宿坊はホテルのように気密性が高く、利便性や嗜好性を追求した商業施設ではありません。なので簡易な宿がOKな人、キャンプや登山などアウトドア派に向いています。お坊さまの修業の場であるお寺の施設なので、館内では静かに過ごしましょう。

★大浴場
利用時間は午後5時から午後10時まで。ただしその日の宿泊客が少ないと使用できなくなるとのことです。今回、大会前日は利用可でしたが、当日は中止でした(筆者は客室内の浴室を利用)。

筆者

筆者は利用しませんでしたが、大会終了後にシャワーを無料で借りることができるとのことです。

★お寺からのプレゼント
チェックインの際、ランナー限定の特別なプレゼントをいただきました。

タオルと交通安全の御守、そしてびわ湖マラソン用の安全完走祈願のお守りです。お寺さんの心づくしに感動。これから参加するマラソン大会にも持っていきます。

境内のようす

びわ湖マラソンの宿泊プランの利用者は、重要文化財「宸殿」や特別名勝「三井の名庭」を無料で拝観できます。

宸殿(国重要文化財)

元和6(1620)年に東福門院が入内する際、建築された禁裏御殿のお局が寛永18(1641)年に明正天皇によって下賜され、後に再興された建物。宸殿は門跡寺院の建物の中でもっとも格式がある場とされています。宸殿内の各間には国の重要文化財の障壁画(復元)があり、実物は現在京都国立博物館に所蔵されています。奥に玉座もあります。


宸殿内の各間に続く廊下と春のお花。


日本文化体験の一環として、ここで投扇興を体験できるそうです。

三井(みい)の名庭(名勝史跡)


宸殿の南側にある三井の名庭は、室町幕府将軍・足利義政に仕えた相阿弥が作庭したと伝えられています。

相阿弥はほかにも、銀閣寺や龍安寺の庭など多数手がけています。

椅子に腰かけて、しばらくお庭を鑑賞&瞑想。

歴代の天皇を祀る本堂から見た宸殿と三井の名庭。

護摩堂


お寺の正門のそばにある護摩堂には、不動明王が祀られています。大会当日の朝、スタート会場に向かう前に完走を誓って合掌。

三井(みい)の名水


天智天皇、天武天皇、持統天皇のご誕生の時に用いられたという「三井の名水」。140歳以上の長寿がかなうという伝説も。無料でいただけます。


滔々と流れる聖水は、きんと冷えていました。


筆者は大会の翌日、おみやげに水筒に入れていただきました。マラソンの時に携行すればパワーアップまちがいなし。

寺院周辺の施設

お寺にほど近いスポットについてまとめます。

れすとらん風月(レストラン・売店)

お寺のそばにあるレストラン・売店「れすとらん風月」には、レストランとおみやげ店、軽食スタンドがまとまっています。

レストランのメニューは、そばやうどん、天丼など和食が中心です。コーヒーなどの喫茶もあります。

「三井寺の力餅」もいただけます。

園城寺(三井寺)

天智6(667)年に建立された天台寺門宗の総本山。山深く琵琶湖を一望できる広大な長等山一帯に位置し、日本を代表する古刹の一つです。「れすとらん風月」のそばに、お寺の入口「仁王門」があります。

お寺のご本尊は、国宝「金堂」に祀られている秘仏中の秘仏の弥勒菩薩。1300年以上前から一度も御開帳されていないそうです。筆者は昨年の春、金堂の特別公開の際に、その弥勒菩薩が祀られている厨子を拝観できました。お坊さんによるミニご祈祷もいただけて、邪気払い&パワーアップ。

宿坊にマイカーで来る方は、寺院の駐車場を利用できるので車で食事や買い物に容易に出かけられます。しかし、電車で来る方は、お寺からいろいろなお店まで少し歩くことになります。全般的にお店が少ないので要注意です。

最寄りのコンビニやドラッグストアも、お寺からやや離れています。「れすとらん風月」から琵琶湖に向かって少し歩くと、以下のお店があります。

●キリン堂 皇子山店(ドラッグストア)
●ミニストップ 大津大門通店

宿坊からJR大津駅方面に約1.2kmほど歩くと、長いアーケード街があります。中にいくつかレストランやカフェ、スーパー(フレンドマート 大津なかまち店)があります。宿坊から1.2kmくらい離れています。

フレンドマート 大津なかまち店さんは、アーケード街の一つ「菱屋町商店街」の中にあります。筆者が昨年訪れた時、イートインコーナーがあって便利でした。

筆者は今回、大会前日の夕食と大会当日の朝食、大会翌日の朝食を、石山寺参詣の後で立ち寄ったスーパー(平和堂石山さん)などでまとめ買いしてから宿坊に入りました。

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長文・駄文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も変則的ですが、びわ湖マラソンの旅で体験した観光・まち歩きについてレポートします。