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【富山マラソン】2022年大会の旅ラン日記(2-2)大会のようす 後編

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11月6日に開催された富山マラソン(コース:富山県高岡市、射水市、富山市)の「旅ラン日記」(体験レポート)を連載しています。

2回目は前編と後編に分けて、大会の当日のようすをレポートしています。後編の今回は、スタートからフィニッシュまでの道のりフィニッシュ6時間台のゆるファンランナーの目線で、コースの特徴と見どころをまとめます。

<連載テーマ>

【1】ランナー受付・EXPOのようす ★
【2】マラソン会場のようす 前編 後編★
【3】富山で買ったもの・もらったもの
【4】富山のおいしいもの
【5】1日目:EXPOで遊ぶ&おみやげ探し
【6】2日目:富山のフレンチで完走祝い
【7】3日目:富山市内をサイクリング
【8】お世話になったホテル&かかったお金

前回の記事はこちらです。

11月6日9時:フルマラソンの部スタート

スタートは、昨年のウェーブ制から招待選手からブロック順と変更。従来と同じ形式に戻りました。

ブロックはAからWまで続き、約1万2000人のランナーが富山市のフィニッシュを目指しました。Nブロックにいた筆者は、号砲から11分遅れでゲートを通過しました。

コースの全体図とエイドの内容は以下の通りです。

※大会公式サイトより

高低差は全般的になく、約3.5kmの新湊大橋以外はほぼ平坦で走りやすいです。遅いランナーにとって、この巨大な橋で体力を消耗しすぎないことが、完走できるかどうかのカギになります。

スタート~3km:高岡の歴史ある街並み

スタートから1km過ぎにある高岡大仏は、混雑防止のため撮影禁止。そこから商家や土蔵が並ぶ歴史的建造物が並ぶ山町筋へ。フル6時間台の遅いランナーは少数派なので人がまばらで、趣ある街並みをゆとりをもって観ることができます。

左手の赤レンガ造りは旧富山銀行本店。東京駅を設計した辰野金吾がこの建物を監修したそうです。どこか似ています。

3~10km:道幅が広く平坦な高岡エリア

約3kmの高岡駅前。この日は日差しが強くて気温がどんどん上がり、この先の5kmの折り返しですでに大汗。

5kmから10kmも道幅が広くて見通し良好。沿道で温かい声援を受けました。書道教室さんの応援横断幕の達筆ぶりがすばらしかったです。写真前方に、白いモビルスーツを発見(笑)。

温かい応援の数々。カメラを回しながら走っていたら、沿道からピースサインをいただきました(笑)。

10km:庄川から雄大な立山連峰を眺める

富山マラソンの見どころの一つ、立山連峰を一望できる最初のスポットです。高性能のアクションカメラをわざわざレンタルしたのも、この絶景を撮りたかったから。ここで深呼吸&小休憩。

庄川のほとりで高岡市から射水市に。暑い…。このあたりは歩いている人多数。

15km 庄川から新湊へ

庄川を渡って新湊エリアへ。暑い。

左右に見事な曳山。海外のランナーさんが喜びそう。

エイドの名物、「白えび天むす」を開発した新湊高校の前を通過。ありがとう。さすがに6時間フィニッシュレベルのランナーは少ない…。

ますずしと白えび天むすが待つ18kmまであと一息。奈古の浦大橋から後方の氷見方面を望む。

……。

ここで、大伴家持の和歌を朗唱。
 あゆの風 いたく吹くらし
 奈呉の海人(あま)の
 釣する小舟 漕ぎ隠る見ゆ 

チョコレートを食べながら小休憩。

前方に「6:00」のシャツ。大会の最後方のペースランナーさんです。新湊の曳山の前で、お祭りの掛け声「エイヤサー、エイヤサー」を披露してくれました。

曳山からも「エイヤサー」。こういうご当地に伝わる文化を五感で体験できるのも、市民マラソンの魅力。

18km:富山名物のますずしと白えび天むすのエイド

6時間台の遅いランナーにも豊富に用意していただいた、源さんの「ますずし」。ありがとうございます。

この時、「白えび天むす」はありませんでした。2016年大会の5時間完走ペースで通過した時もすでになかったので、想定内。

19kmのあたりで、力走する富山テレビの取材班のみなさんを発見。暑い中、お疲れさまです。

取材班のカメラマンさんは、筆者が今回レンタルしたGoPro HERO9(左の写真)の最新機種、GoPro HERO11を使っていました。プロが使っているなら間違いなし。買ってみようかな。

お米姿のみなさんからの温かい応援。3日間、富山米をおいしくいただきました。

19~22km:新湊大橋からの絶景を楽しむ

新湊きときと市場でのにぎやかな応援を受けた後、いよいよコース最大の難所、新湊大橋へ。今年で開業10周年というメモリアルイヤーに当たりました。

橋の全長3.6km。海から橋げたまでの高さは47m。歩行者は通常通れない貴重なルートです。

この時間帯、6時間台での完走をめざす人はほとんど歩き。筆者も体力温存のため、ASICSから習った負担の軽いウォーキングで前に進みながら動画を撮りました。

帆船海王丸。1930(昭和5)年生まれ。かつて商船学校の練習帆船だったそうです。この日は10時ごろから帆を広げ、ランナーの通過を歓迎してくれました。新湊でのジョギングの部(約4km、8時30分スタート)なら、終わった後にそのようすが見られたかも?

「祝・富山マラソン」の電光掲示板。橋の最高点とコースの中間点まで、あと少し。

右手に美しい山並みと港町。天気に恵まれてよかった。

23~38km:あまりにも広い富山平野を体感

新湊大橋を降りると、田園風景が広がる富山平野へ。

28kmのエイドにて。ミニトマトおいしゅうございました。28km以降の6カ所のエイドでは、すでにお菓子類はありませんでした。補給食を十分持っていったので問題なし。

このエイドの後、そんなに早く走っていないのに転んでしまい、左足首をひねりました。疲れが想像以上にたまっていて油断したかもしれません。痛みがあるのでしばらくウォーキング。

33kmのエイドでオレンジをいただきました。おいしゅうございました。

37km:47都道府県ランナーへの応援のぼりを見る

富山マラソンでは、市民のみなさんからの応援メッセージが書き込まれたのぼりがコースの終盤に掲げられます。全部で125本。県内市町村、各都道府県からのランナーへの手作りのおもてなしです。場所はラスト5kmと、ランナーにはきついところ。のぼりの温かい応援がパワーになります。

メッセージから、富山の人から見た他県のイメージがうかがわれておもしろいです。例えば東京。東京タワーのイメージが強いみたいです。

静岡はお茶。

次の旅ランの地、愛媛はみかん。

筆者はここで最後の小休憩。28kmで転んでひねった足首の痛みが引かず、これまで何度も立ち止まりました。フォームが崩れたせいかふくらはぎがパンパン。エアサロンパスを持っていってよかったです。

40km:富山市街地に入ってラストスパート?

手前で最後の丘陵を超えて富山の市街地が目の前に広がり、一安心。せっかく道が平坦になったのに、とぼとぼ歩きから走りに変える気力も脚力も残っていませんでした。40km地点のあたりはほぼ平坦です。

コースの最後の絶景ポイント、富山北大橋。一日すばらしい景色に恵まれました。

42km:フィニッシュの富岩運河環水公園へ

「42km」のフラッグを見て感無量。市民マラソンの定番ソング、「負けないで」の生演奏が聞こえてきました。

フィニッシュ!

6年前と比べて1時間15分も遅れました。つらかった。けど、楽しかった。

フィニッシュエリアのようす

フィニッシュゲートをくぐった後は、すぐにマスクの着用が求められます。走っている途中で失くした人は、スタッフさんから新しいマスクをもらうことができます。

計測チップを返却して、ドリンク、フィニッシャータオル、完走メダル(個包装)、軽食の順でいただきます。

軽食はバナナと神戸ドンクのパン(なめらかヨーグルトクリームパン)でした。

富山市体育館内の手荷物返却所。遅い時間のフィニッシュを申告したランナー(ブロックN~W)の手荷物は1階駐車場に保管されていました。

足をひきずって地下まで行き、荷物をピックアップするのはしんどい。場所が1階でラッキーでした。

女子更衣所へ。場所は大会前日にランナー受付が行われた体育館で、手荷物返却所のすぐそばです。広くて快適。寒さも感じません。

壁側にテーブルが並び、1つのテーブルに2脚のパイプ椅子、化粧鏡、ティッシュが用意されています。至れり尽くせりで、椅子のおかげで足腰が楽チンです。

更衣所の利用は17時まで。体育館を出ると、出迎えの人たちが待っていました。

親水広場のようす。協賛社ブースの展示はほぼ終わっていましたが、第一生命ブースではまだ完走者の記念撮影を受け付けていました。ありがとうございました。

キッチンカーも出店。鶏皮チップスやたこ焼きなど。ビールが欲しくなる…。

遅いランナーにも足湯サービスが。ありがとうございます。

お湯は富山湾の海洋深層水檜風呂で足を休めることができます。ヒノキの香りで癒し度アップ。

フィニッシュ後の着替えはいつもラップスカートにしています。湯船に足を入れやすいのもgood。2月の愛媛マラソンでもこれでいきます。

こうして、筆者のフルマラソンの復帰記念大会となった富山マラソンが無事に終わりました。途中、転んで足首をけがしてしまいましたが、自然豊かでゆとりと温かみのある42Kを安心して楽しむことができました。

まとめ・感想

富山マラソンを満喫したランナーのみなさん、あらためましてお疲れさまでした。また、大会関係者ならびにスタッフ、ボランティア、コース沿道にお住まいのみなさん、大会づくりに関わられたみなさん、本当にありがとうございました。

大会の魅力は、何といっても自然が豊かでコースにゆとりがあるところ。道幅が広くて海や山の美しい景色をたくさん見ることができ、癒されます。筆者はふだん狭くて人が多い都会で暮らしているので、この開放感は貴重です。

制限時間が7時間(多くの市民マラソンは6時間)いうゆとりも、初心者ランナーには安心。スタート時のタイムロスや途中のトイレ休憩などを考慮しても、1km9分30秒ペースなら制限時間内にフィニッシュできます。

また、新湊大橋のようにふだん徒歩では通行できない場所を体験できるのもマラソン大会ならでは。360度見渡せる広々した田園のように単独では行くには不安がある場所でも、コースにスタッフさんがいる大会なら安心してのびのび走れます。

富山の生徒さんや学生さんの手作り感あふれる応援も、そのまちらしさと温かみがあっていいです。新湊の曳山のような伝統的なお祭りにもふれて旅気分にもなれます。これもひとり旅で走ってもなかなか体験できません。

エコに力を入れているだけあって、大会は全体的にシンプル。ランナーが持ち帰るものがやたら多かったり、地域と何の関係のない謎の芸能人(?)をたくさん呼んだ謎イベントを入れ込んだりするような大会ではありません。でも、それがいい。有形無形のゴミが少ないことはランナーの荷物を減らし、ひいては運営にかかるお金やランナーの参加料の負担をおさえられます。

富山は衣類の回収やフードバンクなど、ごみを減らす試みがあって今の時代にマッチしています。昭和の大量消費万歳、お金を出しさえすれば何でもサービスを受けられるという感覚が抜けない中高年から、世界基準の環境教育を受けている若年層へとランナーの世代が変わるころには、富山のような大会がふつうになる。むしろそうなってほしいと、筆者自身は思います。

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長文・駄文を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。次回は11月27日(日)に、富山で買ったもの、もらったものをレポートします。